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複数枚折りの時代(2)~なぜ複数枚折りなのか~ [折り紙]

「なぜ複数枚折りなのか」を語る前に、半年ほど前に戻ってみよう。
その頃の私は、新世代、特にnhさんを中心とする人物造形が見せて
くれた折り紙の新しい展開に夢中だった。
何か、新しい表現を盛り込むための基礎が構築されつつあるように
感じた。

私は「何が盛り込めるのか?」を検討し始めた(折れもしないのに)。
そして、近隣の造形手法から輸入できるものがないか、探すことにした。
手始めに調査したのがペーパークラフト。
当時、私は「ペーパークラフト」とは紙を使う任意のアートであると
思っていたのだけれど、ググって見ると、そのほとんどは三谷氏の
ツールを使う系統の造形が多かった。

この種のペーパークラフトというのは、「児童雑誌の付録に付いていた」
という折り紙と同じ類の(「子供の遊び」という)十字架を背負っている。
その大部分は簡単な造形で、けっきょく私が探した限りでは、それほど
素晴らしい造形は見つからなかった(知ってたらぜひ教えてください!)。
コレを見ると、折り紙の黎明期に吉澤章という偉大な芸術家がいた、
というのは折り紙創作の歴史にとって、とても幸運だったのだと思う。
閑話休題。

私自身は、この種のペーパークラフト造形から折り紙に取り込める
表現は無さそうだな、と結論づけてしまった。
が、ソレと同時に折り紙とペーパークラフトとの(紙を使うという以上の)
類似性(差違、ともいう)が気になりだした。

ペパクラでは、まず切る。
折り紙では不切が主流。

ペパクラでは、用紙は彩色してある。
折り紙では彩色は邪道。

ペパクラでは、複数枚の切り抜いた紙をのりで貼る。
ん? これは折り紙でもやってるな。
切った後の紙もだいたい四角だけど(ユニットとか)。

ペパクラでは、のりしろ部分を折ってたりする。
んん、そうですね。
折ってある部分があるペパクラはおりがみ?
いや、それはちょっと違。。。
じゃぁ、おりがみって?

というわけで、狭義のペーパークラフトと折り紙を分けている
本質的な違いってなんだろう、と考え込んでしまったわけ。
もちろん、厳密な分離はあり得ないんだろうけど。
私なりには以下の2点は譲りたくなかった。

・やっぱり紙は四角だろう(多角形はギリギリセーフ?)。
・「折る」という表現が主体。

やっぱり、「任意形状用紙の貼り合わせ」を許せない辺り、
「はさみ禁止」は自分のドグマなんだと思う。
であるならば、残りのぜんぶを許容して、そこを(自分なりの)
折り紙の国境にすることにした。

複数枚を一番目に許容してしまうのは、結局のところ自分の
好み以外の理由ではないんだけれど、折り紙が勝ち得た
アドバンテージ、というものを考えると自然なように思えた。
この辺はまた次回にでも。


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